片峰前学長への公開質問のその後
2018年 01月 19日
すでに何度も書いていることですが,片峰茂前学長は2017年9月末を以って,任期満了となりめでたく退任されました。でもそれで後は知らん,では困ります。エボラウイルスなどの病原体の動物実験施設-BSL4施設を住宅密集地に造るという非常識なことを推進してきた責任について,ご本人は一体どのように考えておられるのだろうか?それを明らかにして頂かなくてはなりません。 福島原発事故では,公式な責任を問われた人は誰一人いません。法的な責任体制が全く整備されていなかったからです。やむなく,住民側から,東京電力の現・前・元の社長3人に対して告発訴訟に踏み切らざるを得ませんでした。東京電力以外の,原発推進責任主体である各行政機関,および原子力安全に関わる機関の誰一人,住民訴訟すら起こせません。何ら責任を問う法律が無いからです。 このような状況は,バイオ研究に関する事業や施設でも全く同様です。少なくとも,法的責任を問う体制が出来上がるまでは,BSL4施設のようなものを特に住宅密集地に造ることについてやめてもらいたいのです。 このような趣旨で,私たちはまだ在任中の9月末に,公開質問状を送っていました。それが下記の記事です。 46. 片峰学長の退任に関わる公開質問 皆さまはぜひ,この公開質問状をよく読んでください。回答期限は退任後の10月6日としました。任期末の慌ただしい時期を設定した事に他意がないことはなく,果たして退任とともにオサラバされるのだろうか?というテスト的な意味合いが少しはありました。 ところが,というか,案の定というか,この回答は未だに最終的に決着はついていません。この記事ではその後のやり取りを記録し,長崎大学が責任と言うものに対してどのように考えているかを広く知って戴くために書いています。このやり取りは時系列的に並べた方が分かりやすいので,一番重要なものが一番下に現れますが,どうか最後まで読んでください。 実はこのメールのやり取りの前には,電話で設置準備室の担当者に対して何度も回答を求めていたのでした。しかし,回答はあいまいで,しかも一担当者だけの電話での話を回答として受け入れるわけには行きません。ついに,下記のように,メールで回答を求めたのでした。 | |
中止連からのメール A-1 2017/11/22 12:08 片峰前学長への公開質問につきましてfrom :nakamatachi3@excite.co.jp 長崎大学 片峰前学長さま 長崎大学 設置準備室担当者さま 中止連会長 山田一俊です。10月26日付、片峰前学長宛の公開質問状に対するご回答をいまだいただいておりません。早急にご回答賜りますよう、お願いいたします。貴学は国立大学であることをよく認識され、納税者である市民への誠実なご対応をしていただきますよう、よろしくお願い申し上げます。 2017年11月22日 『BSL4施設設置の中止を求める自治会・市民連絡会』(略称:中止連)会長 山田一俊 | 中止連からのメールに対する返信 from :設置準備室 中止連会長 山田一俊 様 いつもお世話になっております。長崎大学です。下記のメール受領いたしました。確認させていただきたいのですが、「10月26日付、片峰前学長宛の公開質問状」とは9月27日付けの添付の公開質問状のことでしょうか? |
A-2(B-1を承けて) 2017-11-22 13:54:36 Re: Re: 片峰前学長への公開質問につきましてfrom :nakamatachi3@excite.co.jp 中止連会長 山田一俊です。 おっしゃる通り、 9月27日付けの公開質問状のことです。まことに申し訳ございません。よろしくお願い申し上げます。 【注】余りにも間が空いてしまったので,日付を1か月間違いました。 | from :設置準備室 中止連会長 山田一俊 様 長崎大学です。ご確認ありがとうございました。 また、河野新学長との対談要望のメールも受領いたしました。 |
A-3(返事が無いので) 2017-11-28 11:19:41 Re: Re: 片峰前学長への公開質問につきましてfrom :nakamatachi3@excite.co.jp 長崎大学 片峰前学長さま 長崎大学 設置準備室担当者さま 下記メールに関してのご回答,もしくはご回答の予定などは,いつご返事いただけるのですか?特に片峰前学長への公開質問に関しては,すでに9月27日から2カ月も経っております。早急にご返事賜りますよう,お願い申し上げます。 中止連会長 山田一俊 | この間,二度ほど電話で設置準備室担当者に回答を催促するも,初めの頃と同じ対応。 むしろ,担当者が回答は差し控える旨の伝言を伝える。 差し控えるなら控えるで,その旨文書にして回答するよう求めるも,対応せず。 仕方がないので,A-4の対策を実行した。。 すなわち,長崎市に,長崎大学に対して誠実に対応するよう助言をお願いした。 |
A-4(長崎市に対して) 2017-12-04 12:32:43 BSL4中止連からのお願いfrom :nakamatachi3@excite.co.jp 市民健康部長 ○○さま 地域健康課長 ○○さま BSL4中止連の事務局より,会長山田一俊からのお願いをお伝えします。 長崎大学は中止連からの再三の要請に対し,なんら誠意ある回答をしてくれません。地域住民の尊重精神が全く感じられず,住民の信頼感は地に落ちています。 その状況をご説明すると共に,もし可能でしたら働きかけをお願い申し上げる次第です。 1.片峰前学長への公開質問状について まだご在任中の9月27日付けで,片峰当時学長に対し添付ファイルの公開質問状を提出しました。方法は簡易書留による郵送と,念のため添付ファイルとしてメール送信の2つのルートで送付しました。メールに対し,翌28日にメール受領の返事が来ましたので,確実に受信されています。 ところがその後,何の音沙汰もないので,何週間か経った頃,事務局長 木須より担当者に電話で回答するよう求めました。 それに対しては,検討中,など回答するともしないとも明言はなく,あいまいなままでした。そういうやり取りを再三行いましたが,進展はありません。 そして,再び,11月28日付で,メールにて回答を催促しました。するとまたしても受領確認の返事は来ましたが,回答自体は未だなされておりません。 私たちとしましては,片峰前学長からの直々の回答が難しければ,しかるべき人が代理でその旨を伝えてもらえばよい,とも申し入れています。 それも含めて,一切の反応を下さらないのです。もし詳しいメールのやり取り分が必要なら,いつでも公開いたします。 どうか大学側に回答するよう,働きかけて戴けないでしょうか。 2.新学長との面会について これに対しても同様にきちんとした回答がありません。面会を受諾するか拒否するかの回答すら戴けないのです。 できましたら,ぜひ面会するよう働きかけて戴ければまことに幸甚です。 以上,どうかよろしくお願い申し上げます。 会長 山田一俊 事務局長 木須博行 | from :○○ BSL4施設設置の中止を求める自治会・市民連絡会事務局長 木須博行 様 お世話になっております。長崎市地域保健課 ○○です。メール受信いたしました。状況を確認のうえ、改めてご連絡いたします。議会中のため、しばらくお時間をいただければ助かります。よろしくお願いします。なお、○○部長もメール拝読いたしておりますことを申し添えます。 |
A-5(B-4長崎市に対して) 2017-12-04 18:01:17 Re: BSL4中止連からのお願いfrom :nakamatachi3@excite.co.jp ○○さまご返事ありがとうございます。片峰前学長への公開質問は、在任中の設置推進の言動が、もしや無責任になされたものではないことを確認するためです。BSL4施設に限らず、どんな危険なものでも、退任したら全く責任を問われないとしたら、在任中にはどんなに無責任なことでも言えます。福島原発事故ではだれも責任を取ることはありません(やむなく、東電の責任者を住民が訴訟しなくてはなりませんでした。)長崎大学の今後の住民との信頼関係に大きな影響を与えると思いますので、どうかよろしくお願いいたします。 事務局長 木須博行 | from :○○ BSL4施設設置の中止を求める自治会・市民連絡会事務局長 木須博行 様 お世話になっております。長崎市地域保健課○○です。ご連絡が遅くなり申し訳ありませんでした。メールを頂いていた件につきましては、○○市民健康部長も同席の上、長崎大学の調学長特別補佐に直接、確認いたしました。調学長特別補佐から、長崎大学から中止連へご連絡をするとの回答がありましたので、お知らせいたします。どうぞよろしくお願いします。 |
A-6(B-5を承けて長崎市に対して) 2017-12-18 10:11:59 Re: Re:BSL4中止連からのお願いfrom :nakamatachi3@excite.co.jp ○○さま中止連事務局です。大変面倒なお願いを聞いて戴き,ありがとうございました。こころより感謝申し上げます。 それでは調氏からの連絡を待つことに致します。今後ともよろしくお願い申し上げます。 事務局長 木須 | from :設置準備室 BSL4施設設置の中止を求める自治会・市民連絡会 会長 山田一俊 様 いつもお世話になっております。まずは、昨年11月22日に頂戴いたしました、「片峰学長の退任後の責任についての公開質問状」に対する回答のご要請に関しまして、回答が遅れましたことを深くお詫び申し上げます。一度、10月10日に貴会事務局長に電話にてお答えしたとおりではありますが、改めまして下記のように回答させていただきます。 (回答) 貴兄から頂戴いたしました9月27日付け長崎大学 学長 片峰茂あての公開質問状につきまして、本学としては、9月30日に退任予定であった片峰前学長個人に対するご質問であると受け止めました。したがいまして、本学からの回答は差し控えさせていただくこととしています。 長崎大学感染症共同研究拠点 【注】長崎市からの助言を受けた回答が約3週間後のこれでした。電話で答えた,というのは担当者が何か代返をしたことで,話になりません。 |
from :nakamatachi3@excite.co.jp 宛先不明さま せっかく下記のメールをいただきましたが,あまりにも不誠実,かつ無責任な回答に憤りさえ覚えます。片峰学長(当時)への公開質問状とは,設置主体の長崎大学の代表として,当時の片峰学長個人宛てに,地域住民の反対運動の組織の代表が個人名で提出したものです。そういうものに対して,下記のような一片のメールで,しかも差出人が 『長崎大学感染症共同研究拠点』 とは一体何を考えているのですか? 不誠実・無責任も甚だしい。片峰前学長個人の回答が困難なら,しかるべき代理人が文書にて回答すべきです。よって,下記メールは回答として無効であり,改めて,上記の形式を調えた文書による回答を求めます。 以上。 『BSL4施設設置の中止を求める自治会・市民連絡会』会長 山田一俊 | from :設置準備室 『BSL4施設設置の中止を求める自治会・市民連絡会』会長 山田一俊 様 長崎大学感染症共同研究拠点です。いつもお世話になっております。 下記メールを受領しましたことをご連絡いたします。 |
from :nakamatachi3@excite.co.jp ○○さま 例の片峰前学長への公開質問に対する回答を求めていた件で,大学は下記の==長崎大学から来たメール==のメールにて回答なるものをよこしました。 しかし,これは片峰前学長への公開質問に対する回答,およびその代理の回答ともみなせませんので,下記メールのように返信しました。 このままでは,長崎大学のBSL4設置推進する人たちは,在任中,どんな無責任な言動も取れることになります。 安全確保の基本中の基本は,せめて設置推進活動における誠実な責任ある言動です。それを求める私たち地元住民の気持ちをぜひご理解下さい。 以上,まずはご報告申し上げます。 なお,私たちのこの返信に対して,長崎大学が誠意ある対応を取らなかった場合,再度,長崎大学に対して,誠意と責任ある回答をするよう促して戴くお願いをすることになるかもしれません。 その節はご面倒ですが,市民を守る立場におられることを鑑みて,よろしくお願いいたします。 ○○部長にもこの件,お伝えください。 中止連 会長 山田一俊 事務局長 木須博行以下略 | from :○○ BSL4施設設置の中止を求める自治会・市民連絡会 会 長 山田 一俊 様 事務局長 木須 博行 様 お世話になっております。長崎市地域保健課の○○です。本年もよろしくお願いいたします。 メール受信いたしました。メールにご記載のありました内容につきましては、○○部長とも共有させていただいております。 from :設置準備室 『BSL4施設設置の中止を求める自治会・市民連絡会』会長 山田一俊 様 平素よりたいへんお世話になっております。 先日は貴殿質問状への回答におきまして、大変な失礼をいたしました。まずは深くお詫び申し上げます。 以後、こうしたことのないよう、しっかりと心を込めて行動することを、拠点職員を挙げまして認識を改めるようにいたしますので、どうかご容赦いただけますようお願いいたします。 回答が遅くなった上に、何度もお手間を取らせることになりたいへん申し訳ございませんが、別添のとおり回答いたしますので何卒よろしくお願いいたします。 長崎大学感染症共同研究拠点 副拠点長 調 漸 【注】初めて責任者名入りの返信と文書による返信が来ました。 |
from :nakamatachi3@excite.co.jp 長崎大学感染症共同研究拠点 副拠点長 調 漸 様 下記回答,拝受しました。これまで回答をないがしろにしてきたことに対し,反省の弁が述べられておりますので,この回答そのものは可として受入れます。 しかしながら,回答の中身は当方の質問に直接答えるものではなく,最大の責任者である片峰前学長ご自身が,自らの設置推進の責任について(むろん,退任後も含めての責任),何らのお考えを示されないことは失望の極みであります。 私たちは,このような危険な施設(地域住民の理解と合意が必要とされる施設)のせめてもの安全の担保は,設置推進者個人の責任ある言動が最も基本的かつ最大のものであると考えております。その責任が退任によって,例えば長崎大学という漠然としたものに移行するとすれば,設置推進者は名誉欲など個人的な欲望の下に,どのような不誠実かつ無責任な言動も取れることになります。このことは,貴学に限らない,普遍的な真理として申し上げております。 また,例えば「長崎大学が責任を取る」ということの無意味さも指摘しておきます。 まず,この施設に起因する万一の事故を想定した場合,不運が重なれば一大学で責任が取れるようなものでは済みません。BSL4施設とはそのようなことまで想定すべき施設であるという認識が欠如している証拠だと言えましょう。 次に,「長崎大学が責任を取る」という考えは,事故が起こった時の責任の所在が極めてあいまいになることに通じます。その時点の学長を始めとする管理責任が問われるのは当然のことですが,『絶対に事故が起こらないとは言えない』として反対している私たち,そして『リスクゼロにするのは神の領域』とする片峰前学長の立場からすれば,『いつか起きる事故は想定されたもの』と言うべきものとなります。そのようなものをあくまでも設置推進した責任というのは特別のものであり,単なる管理責任に帰せられるものではありません。 従って,その点があいまいになる『長崎大学が責任を取る』という考えは到底受け入れることができません。 幸いにして未だ,施設はできておりません。片峰前学長のこのお立場は,今は河野現学長にも引き継がれております。従って,私たちは,河野学長に対しても同じことをお聞きしなくてはなりません。 貴回答によれば, 『個人ではなく、本学の前代表者としての片峰へのご質問ということであれば、長崎大学としての立場からの考えを回答させていただく』 とのことですが,この意味がよく理解できません。 まさに,『責任は長崎大学がとる』のような無意味な回答になること以外には考えられません。 片峰前学長が自ら設置推進した事業について,自信がおありならその責任についても確たるお考えをお持ちだと思われるのですが,違うのでしょうか? 退任を口実に,沈黙を貫くことが許されるのならば,設置推進に関わるあらゆる言動が全く信頼できないものとなります。 片峰前学長の伝言でも結構ですので,以上の点を含めて改めて回答していただくようお願いいたします。 あるいは,新しい公開質問の文書として改めて送ったほうがよろしいでしょうか? 以上,回答の御礼方々,今後のことについてご連絡申し上げます。 中止連会長 山田一俊 | from :設置準備室 『BSL4施設設置の中止を求める自治会・市民連絡会』会長 山田一俊 様 いただきましたご要望について、現在内部にて検討を行っておりますが、ご回答までお時間をいただくこととなりますことをあらかじめご了承いただきますようお願いいたします。なお、新しい公開質問の文書は必要ございません。 長崎大学感染症共同研究拠点副拠点長 調 漸 ----------------------------------------------------------------------- On 2018/01/15 14:21, 設置準備室 >『BSL4施設設置の中止を求める自治会・市民連絡会』会長 山田一俊 様 >いつもお世話になっております。下記メールを受領しましたことを取り急ぎご連絡いたします。 >長崎大学感染症共同研究拠点> 副拠点長 調 漸 【注】ようやく責任問題について,真剣に考えてくれるのでしょうか? |
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by nakamatachi3 | 2018-01-19 23:34 | Comments(0)