長崎市議会へ陳情のまとめ(3)重要課題2点
2017年 12月 06日
この記事も一瞬のうちに消えてしまった記事の一部です。まあそれはともかく,最後に重要な話がありました。 陳情審議自体は既報の通り(これとこれ),ですが,その審議中に委員の皆さん方が大きな誤解をしているなと感じられる課題がいくつかありました。例えば次のことです。 (1)諸々の安全神話の盲信 考えられるリスクにはすべて対策があるから安全です,というあの話。それをそのまま信じておられることには驚かざるを得ませんでした。想定されたリスクへの対策だけで安全が確保できるのなら何の苦労もありません。想定されたリスクへの対策にしても,対策とは何かたった一つの操作とか機器の作動で完了ではないのです。 多くの操作や機器・センサー等のの作動,人間の処置などが複雑に絡み合い,相互に依存しています。大きなシステムとはそういうものです。その中のどれか一つ不具合があっただけで,どんな異常事態が生じるか誰にも予測できません。このような安全説明が通用するようでは,福島原発事故で国民すべてが決心した『安全神話は絶対に受け入れない』は早くも死語と化しつつあるようです。(何がどのように安全神話なのかについては,このブログのほかの記事をご覧ください)。 もう一つ,想定されたリスクへの対策ですらこうなのに,リスクには事前に想定していなかったものもあるのです。これにはむろん対策の立てようもありませんので,起こったらあとは神様仏様に祈るしかありません,紙一重の幸運を。 (2)長崎大学への信頼が地に落ちていることを知らない 長崎大学はこれまでの設置推進の言動を通して,住民たちからの信頼感は残念ながら地に落ちています。ところが,議員さんたちは長崎大学が住民への説明を丁寧に繰り返し,地域連絡協議会でも十分な理解を得ながら設置を進めているというように思っておられました。これは残念ながら誤解ですのでぜひ修正していただきたいものです。現に,地域連絡協議会に委員の一人として出席している長崎市の担当者は,地域連絡協議会の議論の進め方が公平ではないという指摘に対し,否定しておられません。 いろいろな証拠を挙げることができますが,この陳情の際に出た,脅しともとれる説明を行う体質について書き残しておきます。(さすがに,今はまずいと思って軌道修正していることでしょうが) 14日付けの西日本新聞をご覧ください。西日本新聞には陳情の参考人の一人の訴えとして,『「(BSL4施設に)反対し続けていると大学病院も移転することになる。それでもかまわないのか」と発言したとして問題視。「説明とは名ばかりで一方的な説得と脅しに過ぎない」と指摘した。』と伝えるとともに,長崎大学もそのことを認めたことまで書いています。 この発言は説明した教授がたまたまそういう脅しの体質を持っていたからでしょうか?いいや,決してそうではないでしょう。どうも長崎大学自身が,もともとそういう理屈を効果的に使おうという姿勢でいたことが強く疑われるのです。 というのは,このブログにも,そのようなコメンターが現れたことがあるからでます。本ブログのトップページの一番下,コメント欄をご覧ください。 yさんという方が現れ,長いコメントを残しているのですが,わかり易いのは Commented by y at 2015-12-02 22:49 のコメントでしょう。(とはいえ,なんで大村市が出てくるのかなど,いきなりではわかりにくいので,読者はその前から丁寧にお読みください。) Commented by y at 2015-12-02 22:49 ”せっかくBSL4を受け入れるのならということで、大村市民が、病院移転も交換条件につけるかも知れません。それから160年の歴史ですが、市制前の医学伝習館の時代から歴史を数えるのなら、坂本じゃない場所にあったこともあるので、歴史を壊すことにはならないと思います。” yさんは,大学の中からコメントを送ったことがIPアドレスからわかっていますが(従って,大学関係者。追求すればだれか特定できるでしょう),もともと,『大学病院が無かったら君たちは困るだろう?』という考えをお持ちの方も多いのです。 ところが,この脅しは完全なるハッタリであることは明らかなのです。なぜならば,大学病院は厳しい独立採算を強いられています。自分で儲けないといけないのです。そのために最も重要なのは何でしょうか?それは立地です。それこそ住宅密集地に無ければ,採算が取れないのは火を見るより明らかであり,研究所団地などに移転できるはずがないのです。 つまり,説明会で住民に凄んで見せた某教授は,完全にハッタリをかましたわけです。こんな人間たちが,BSL4施設を造ろうとしているのです。おこがましいにもほどがある,というものです。 コメントのやり取りの中に書いてはいますが,見落とされるといけないので,ここにも書いておきます。実験従事者が何らかの実験室内感染事故を起こした場合の対策ですが,本来はそういう時のために,実験施設内に指定医療病棟を何床か用意しておくべきなのです。大学が坂本キャンパス設置に異常にこだわる最大の理由(の一つ)が,別に市民のためではなく,その万一の実験作業者の感染時のためであることは意外に知られていません。 大学の説明は,最初っから,この施設は医療施設であるかのような誤解を期待した説明,この施設がないとエボラの検体を外国にまで送らないといけないなどの市民の焦りを期待した嘘の説明,等々を繰り返してきました。これらも脅しの一種と言えるでしょう。 (エビデンスは,このブログの初めのころにたくさん書いていますので,この記事では省略します。) |
2017年9月14日 西日本新聞 |
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by nakamatachi3 | 2017-12-06 12:59 | Comments(0)