長崎大学はこれまでBSL-4施設がないとエボラかどうかの確定診断ができないと,ずっと主張して来ました。しかし,これは全くのウソであることが明らかです。

私たち市民の記憶にも新しいことですが,昨年来,日本国内でエボラ感染が疑われる例が8例ほど出現しました。そのたびに,武蔵村山市の感染研において感染の有無を診断し,いずれも陰性であるという結果が発表されました。
ところで,この感染診断は当然のことですがBSL-3の施設で行われました。未だBSL-4施設の稼働が許されてなかったので当然のことです。
実はこの感染診断は RT-PCR 法という方法で行われたのですが,この方法は立派な確定診断法(の一つ)です。

つまり,BSL-3施設でも問題なく確定診断ができるのであり,
長崎大学はこの事実と反することを住民に繰り返し説明してきたのです。
これは設置のためには大きなウソもつくという学問の府にあるまじき態度であり,学者としての純粋な良心を期待できる人たちではないことが明らかになりました。
ということは,今後,長崎大学がいかに住民を安心させるようなことを言っても,到底信用することはできません。残念なことです。


以下に,書き残された文書での証拠を掲載しておきますが,このほかにも住民説明会などでの口頭では「BSL-4施設がないと確定診断ができない」という趣旨の説明が数多くなされました。

証拠① 感染症とBSL-4施設に関するQ&A より 2015-08/18

<17> 日本でBSL-4に該当する病原体の感染者が発生した場合、現状だと、感染者はどのように処置されるのですか?

<回答>
BSL-4に該当する病原体の感染が疑われた場合、感染症法に従い、患者は直ちに一類感染症患者に対応することができる医療機関として国から指定をうけた特定感染症指定医療機関、あるいは「第一種感染症指定医療機関」(現在、全国で44施設87床が設置。長崎県では長崎大学病院に2床準備)に収容されます。その後、患者から採取した血液などの検体を国立感染症研究所などで検査します。しかし、㋐国内でBSL-4施設が稼働していないため確定診断を行うことができずBSL-4に該当する可能性がある場合は海外の機関に検体を送り、確定診断検査を依頼することになります。この間、患者は「第一種感染症指定医療機関」に留め置かれ、解熱や水分・栄養補給など症状に合わせた対症療法がとられます。(下線や㋐,㋑の文字は引用のため付した。以下同様。)

【批判】 長崎大学は今になってさえ,赤文字のようなことを公言,広言しています。㋐の部分も㋑の部分も,感染研でエボラの疑いのある患者を検査するはるか以前から公言されていたのです。そして,感染研で実際に確定診断を行い,陰性と診断した後もずっと以前のままです。
特に㋑の部分をよくご覧ください。「BSL-4に該当する可能性がある場合は」とわざわざ前提条件まで書かれています。今回のエボラ疑惑の診断はまさにこの前提条件にあてはまるのですが,海外の機関に検体を送るということは全くなかったのです。
ということは,長崎大学は真っ赤なウソをついていたし,今もウソをつき続けているということです。長崎大学のBSL-4施設設置に関わる人々は,このようなウソを公言できる人間の集団なのですか?もしそうであるならばきわめて残念なことです。

証拠② 感染症とBSL-4施設に関するQ&A より 2015-08/18

<19> BSL-4施設が国内にあると、感染者の治療や感染拡大防止にプラスなのでしょうか?

<回答>
国内でBSL-4施設が稼働していれば、確定診断まで迅速に行うことができ、早期対応(適切な治療、感染拡大阻止のための広範囲にわたる積極的調査、その他行政対応等 )が可能になります。また、BSL-4に該当する病原体ではない場合でも、そのことを早期に確定することで、患者に対する適切な治療の提供(ラッサ熱は発症6日以内にリバビリン投与により効果があります)と周辺への感染拡大防止が可能となります。

【批判】 ①の批判で尽きていますが,これも個別に批判することにしましょう。下線部は一見,正しいことを言ってるようですが,厳密に言えば間違いと言ってよいでしょう。というのは,大学の言う確定診断とはウイルスを培養することが必要な方法です。ところが,ウイルスを培養するには長い時間,例えば4・5日~1週間近くかかります。
一方,RT-PCR 法ならば,私たち全国民が固唾をのんで待ちましたが,わずか数時間で結果がもたらされました。つまり,BSL-4施設でウイルス培養して行う方法より,BSL-3で行ったRT-PCR 法の方が何倍も速いのです。
考えてみてください。アフリカ現地で懸命に治療に当たっている医療スタッフは,BSL-4が必要な方法で医療をやるでしょうか?むろん,施設がないのでできません。でも治療にBSL-4が必要とは全く訴えていません。むしろ,医療現場ではRT-PCR 法などの方が優れた方法なのです。
何度も言うように,生ウイルスを扱うことが必要なのは実験研究の時だけです。

証拠③ 新たな感染症研究施設に関する説明会を開催 より 2015-08/18

<質問4> 大学は、BSL-4施設は診断に必要と説明していたが、簡易迅速診断法を使えば、BSL-4施設以外でもできるのでは?

<回答4> これまでも説明してきた通り、「簡易診断」はできるが、最終的な確定診断には、患者の体内から感染性のあるウイルスを分離する作業が必要になる。BSL-4ウイルスへの感染確認後は施設がないと十分な治療ができない


【批判】上の<回答4>にある赤文字部分は,①と②から単純なウソであることが明らかです。また,下線部は非常に手の込んだ理解しがたい言い方です。もしBSL4施設(動物実験研究施設)が治療に必須ならばエボラ患者を収容できる全医療機関すべてにBSL4施設を併設しなければなりません。
「十分な治療ができない」とは何を意味するのかあいまいですが,長崎大学が他の個所でたびたび言及する,「治療過程におけるウイルス量を測ることができない」ことを指しているのかもしれません(その他にはちょっと考えられない)。
もしそうであれば,全くのウソです。RT-PCR 法でウイルスの量もリアルタイムで計測できます。生ウイルスを使う必要はありません。むしろ,生ウイルスを培養する方法は時間がかかりすぎて,現実には役に立たないと思われます。
さらに加えて,必要ならば,感染症法に言う指定機関として,BSL-3施設も指定すればよいのです。こういう法的準備こそ,エボラの脅威に対する真に役に立つ防御態勢なのです。

証拠④
新興感染症への対応と日本の現状 in 『設置検討の経緯』 より 2015-08/18

<1行目> こうした新興感染症が発生した場合には、どんな病原体が原因なのかを迅速に突き止め、感染した患者さんの治療方法を考えると同時に、それ以上、㋐感染が広がらないようにするために、その病原体に対するワクチンを開発するなどの対策を立てる必要があります。そのためには、生きた病原体を用いて研究する必要があります
 ところが、エボラ出血熱のような感染症が日本で発症しても、現在は、㋑病原体を安全に取り扱うための施設がなく確実な診断ができません

<14行目>
現状では、エボラ出血熱のような危険な感染症が発生しても、㋒限定的な実験室診断しか実施できません。また、㋓海外の研究機関に診断や分析を任せていると長い時間がかかり、最悪の場合、患者を救えないだけでなく、感染を広げることが危惧されます。

【批判】 すでに①~③で見てきたウソを別の言葉で述べています。
まず,下線部㋐は全体としてはその通りですが,初めの前提に対して矛盾というか無理があるのです。「感染が広がらないように」するために,「ワクチンを開発するなどの対策を立てる必要があります」では,もはや遅すぎます。
「感染した患者さんの治療法を考えると同時に」ということなので,そのあと感染が広がらないうちにワクチンを開発するなんて不可能です。そんなに簡単に,短時間に開発できるぐらいなら,今のうちに現地でさっさと開発すればよいのです。
それが難しいから,今のような脅威があるのでしょう。実に無責任極まる言辞です。いかにこの問題を軽く考えているかの証拠と言えるでしょう。
下線部㋑,㋒,㋓は上に採り上げたウソと同じことなので,省略します。

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=======記事はここまで=======
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by nakamatachi3 | 2015-08-19 07:23 | Comments(0)

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